明治・大正・昭和を生きた思想家・徳富蘇峰の思想【キリスト教、平民主義、戦争賛成】

日本の近現代史を学んでいれば必ず目にするのが徳富蘇峰の名前です。彼については、「多すぎる」と言わざるを得ないほど、膨大な歴史研究が行われています。その理由のひとつは、彼は明治維新期の1863年から、太平洋戦争終結後の1857年まで実に100年近く生きているからです。およそ100年の人生の中で、色々な意見を発信したり、色々な職業に付いている彼についての研究が多岐にわたるのはある意味当然ですよね。今回はそんな彼の思想に、焦点をあててまとめ記事を作成しました。彼の思想は時の流れとともに変遷しています。今回は彼の思想を主に3つの時代に分けてまとめてみました。

①キリスト教に傾倒した時代 ~熊本バンドの仲間とともに~

徳富蘇峰の青年期の思想で、最初に注目すべきなのは「キリスト教への傾倒」です!どのような思想かと簡単にまとめると!キリスト教の理想に基づいた国家を作っていこうという考え方です。

肥後藩(現在の熊本県)で生を受けた徳富蘇峰、時代の変革の時代であった明治期に藩政改革に携わっていた父の影響を受けて、幼少期より開明的な思想を持っていました。

徳富蘇峰の生誕地は現在の熊本県上益城郡

そんな彼は、1872年に入学した熊本洋学校で、西洋の様々な学問について勉強します。また、当時九州にキリスト教を普及させるために集っていた、宣教師たち(熊本洋学校の教師の中にも宣教師はいました)の熱心な布教活動に影響されます。
このような教育環境の中で、彼は日本古来の学問から距離を置き、キリスト教とその周辺学問の研究に傾倒していきます。

実際に聖書を読んで深い感銘を受けたそうです。

宣教師のジョーンズを中心に、多くの青年によって結成された「熊本バンド」の中で行われたキリスト教の教育は、藩がお取り潰しになり忠誠の対象を失った青年たちの心をつかみました。

熊本バンドのメンバーは後に、同志社大学の設立に大きく関わっていきます。

②平民主義の時代 ~ジャーナリスト・徳富蘇峰の活躍~

次に抑えておくべきなのは、1890年前後の自由民権運動の頃の思想です。この頃の徳富蘇峰の思想は「平民主義」という考え方。この考え方をざっくりと述べると、外国との戦争による略奪によって国家を発展させるのではなくて、西洋の優れた社会・経済システムを、理知的な国民たちが実現することで国家を発展させようとするべきだという考え方です。当時、徳富蘇峰はこのような国民のたちは、自由かつ平等が認められる環境でこそ活躍できると考えていました。

徳富蘇峰の創刊した国民新聞

現在の東京新聞の全身となる新聞です。ここで論陣を張っていました。当時の革新的な若者たちの多くが、彼の意見に熱狂しました。

自由民権運動や西欧化を評価していた徳富蘇峰

民主化や西欧化の真の実現のためには、地方の人間たちの成長が不可欠であると考えていたのも徳富蘇峰の特徴です。

③戦争賛成・体外膨張主義の時代 ~国家と屈託した徳富蘇峰~

そんな彼の思想について、最後に紹介するのは「膨張主義」の思想です。徳富蘇峰の思想の最終段階にあるこの思想を、簡単に述べると、対外的な戦争で利益を得るために天皇や軍中心の国家づくりをしていかなければならないという思想です。つまり、「キリスト教の思想」や「平民主義」とはほとんど正反対の思想なのです・・・。

徳冨蘇峰の思想が180度転換した理由は、記者として三国干渉を目の当たりにしたからだと言われています。

数回の桂太郎の政権で支持をし続けた徳冨蘇峰

國民新聞の言説も、国家の方針を賛美する内容に転換しました。特に、一部の有力者の意思をもとに天皇中心国家の建設を目指していた桂太郎には共感していたようです。

『近世日本国民史』を執筆した徳冨蘇峰

徳富蘇峰は、日本の正しい歴史を残すために『近世日本国民史』を執筆しました。その背後には、天皇中心の国家の正当性を伝えたいという思いもあったのです。

太平洋戦争期は軍部との癒着も

太平洋戦争の激化した時代は、戦争を主導した軍部の情報発信に携わっていました。

おわりに

今回のまとめでは、徳富蘇峰が移り気で、芯の通っていない人間に見えてしまったかもしれません。しかし、人間の思想はその時・その場所の空気の中にあって初めて生まれるものなので、変わって当然なのです。

徳富蘇峰の名言「世にも強きは自ら是なりと信ずる心なり」

最後に徳富蘇峰の名言を一つ紹介しました。「今自分がすべきことはこれだ!」と感じたら、常に全力でぶつかるべきであるという彼なりの人生観です。先行きが不透明なのは現代も一緒です。明治・大正・昭和を生き抜いた大思想家徳冨蘇峰から学ぶことはおおいはずです。みなさんもふと何かに迷った時、徳冨蘇峰について勉強してみたらいかがでしょうか?

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